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クロスボーダー案件への出会い

999年、あるリゾート地の大手ホテルの債権が不良債権化しつつありました。 無理な借り入れやグループ

会社の欠損負担で収益を費消、リノベーションの遅れで競争力はさらに低下、借り入れの返済が困難な

状況となっていました。 さらに異常な円高で返済額がさらに膨張し、キャッシュリザーブは殆ど底をつき

かけていました。 融資契約はローンの自動延長を約束していましたが、銀行そのものが破綻の危機に

面し、交渉自体が持てない状態でした。 やがて日本全体が銀行再編の荒波に突入、同ホテルの債権は

「債務不履行」のレッテルを貼られたまま、銀行から銀行への売却・譲渡を経て、最終的には整理回収機

構に売却・移管されるという運命を辿っていきました。



地域社会との関係


しかし、特筆すべきは、多くのホテルが大資本に吸収される中で、数少ない地元資本として地域社会から

高い評価を得ていました。 しかも、同ホテルは現地では30年以上の歴史と有数の規模を有し地域社会

にも様々な形で貢献していました。  グループの総従業員数は1000名を超え、雇用機会の創出という

面でもその役割は大きく、様々な医療団体への貢献や、福祉活動にも積極的に参加し地元学校の教育

プログラムへの協力や、実地見学の受け入れなど住民からも大変慕われており、その大きな影響力を

勘案すると、同ホテルの企業再生を図ることは極めて重要な意義を持っていました。


地域密着型事業再生への取り組み

「地域社会に貢献する同ホテルを救いたい」との使命感を持って我々が取り組んだ同ホテルの事業再生は

粗5年もの長期に渡りました。 長期戦となったのは、同時テロ事件、イラク戦争、SARSなどが次々と勃発

した為でした。 その間、競争力はさらに低下しキャッシュフローは枯渇、物件価値の低下で担保価値は勿

論、売却価値も大きく毀損されるなど絶対絶命の危機に何度も追い込まれたのです。 これ以上の苦しみ

はないという状況で、「やるしかない」という決意が一人一人の心の中で一丸となり、いつしか総支配人を先

頭に一人何役もの仕事を平気でこなすようになっていました。 営業は収益回復を目指してマーケット動向

を先読みした懸命の販売活動を実施、財務はデットリストラクチャリングの可能な限りのシナリオやスキーム

の研究と検討、オペレーションは限られたリソースを使っての必死の保守・メンテ作業、 従業員の昇給を凍

結し、経営方針をクリアにしながら一人一人の協力と理解を得ました。 全体の進行と実施にあたっては、国

内外の様々な知識と経験を持つ外部エキスパートのチーム編成と団結が不可欠でした。


チームワークとスキルの組み合わせ


数十回におよび再生スキームの徹底検証、前提となる企業価値評価の算定、リノベーションの為のアセス

メント、 金融機関やRCCとのネゴ、その間必要となる法的選択肢の検討等、様々な知識と経験を持つ外部

エキスパートとの連携プレーで息をつく間もない毎日が続きました。 こうしてどれをとっても不可欠な重要タ

スクを一人一人が責任をもって担当しながら、最終的には見事なチームワークで同ホテルを救済することが

出来たのです。これは緊迫した交渉過程で一心同体の思いで尽力し、忍耐強く対応してくださった弁護士

事務所・担当弁護士の誠意あるご支援がなければ、達成できなかったタスクでもありました。特に、同時テ

ロ、イラク情勢の悪化などでプロジェクトが暗礁に乗り上げ八方塞がりで何度もっくじけそうになった時、我

々が最後までやりとおすことが出来たのは、担当弁護士の我々の立場に立っての叱咤激励があったればこそ

でした。 



事業再生の基本コンセプト

こうして我々は事業再生の基本的な精神ともいうべき骨格を大変貴重な機会を通して学ぶことが出来まし

た。 そして今度は、日本各地で苦しむホテルや旅館などの救済に是非取り組み、それらの企業が関わる

地域経済や地域社会の活性化に貢献したいと考えるようになりました。 我々の事業再生のあり方は決し

てバランスシート上での一時的なEXITを目指すのではなく、現場主義に徹した総合的な再生アプローチ

を実施することにあります。 その為に必要となる幅広いノウハウと経験を持ったスタッフがプロジェクトに

参加し、クロスボーダー戦略を駆使した国際的な再生化を実現したいと考えております。


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